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留学記:Universidad Autónoma de Guadalajara

2017年07月10日NEWS

昨年2016年秋に留学に旅立った世界教養学科一期生が、それぞれの留学先でたくさんの経験をつみ、日本に戻ってきました。世界は広く、各地各様の生活があり、文化があり、歴史があります。それらを直接肌で感じつつ、自分自身や日本という国をふりかえって考えるきっかけにすることは、留学の醍醐味のひとつです。

そうした醍醐味を生き生きと伝えてくれる留学記を、メキシコのグアダラハラ自治大学(Universidad Autónoma de Guadalajara)に留学した菅野蓮くんが届けてくれました。留学という扉の向こう側に広がる経験が多様であることを、ぜひ感じとってください。


留学記
―Universidad Autónoma de Guadalajara

実際のメキシコ

今回僕が留学に行ったのはメキシコ合衆国のグアダラハラ自治大学というところです。日本人の多くの人が抱くメキシコのイメージといえば、おそらく、タコス、カウボーイがかぶるような大きな帽子(ソンブレロ)、サボテンといったところではないでしょうか。また、危険というイメージは必ず持っていると思います。メキシコに留学にいくということをはじめに両親に話したところ、危険だからやめておきなさいと言われることも多かったのですが、スペイン語を勉強したいという思いは変えられず、危険だからということであきらめたくないなと思い、必死に説得して留学することができました。危険と言われるのは基本的に報道の過剰な表現によるもので、そのような情報は多くの人に興味を持たれるのですぐに広まり、メキシコは世界中に"危険"というイメージを持たれているのだと思います。とはいえ、自分も、メキシコに入国してホームステイ先まで行ったあと、1週間大学に行かなくてよかったのですが、怖くて外に出られませんでした。ですが、車で一度外に出かけた時から徐々に慣れていき、一人でも外で行動できるようになりました。慣れた時が一番危ないと思って行動していたので、帰国までに一度も危ない目にあうことはありませんでした。おすすめすることはできませんが、夜遅くに一人で歩いていてもそれほど危険はないです。

大学生活

大学まではバスで通っていました。家から20分くらいのところで、運賃も日本円で約20円くらいだったので、常に使っていました。大学の授業は朝9時から始まり、13時までありました。4時間スペイン語の授業を受けてそのあと大学の食堂でご飯を食べ、図書館で宿題を終え帰宅していました。スペイン語が全く話せなかった自分でも、大学の授業のおかげで納得できるほどまで話せるようになりました。授業のあと、たまにジムにも行っていました。メキシコはサッカーが人気なのでサッカー場が数えきれないくらいありました。プールや野球場もあり、野球の試合には一度だけ参加しました。

メキシコでの日本

メキシコでは日本はどのように思われているのだろうか。実はメキシコでは日本食ブームで、住んでいたグアダラハラでは日本食レストランが多くありました。自分の家の近くに6つほどありました。また、多くのメキシコ人が日本のアニメを見て育っているので、日本人と知るとアニメの話をたくさんしてきます。放送されている時代が異なるので、キャプテン翼やセーラームーン、ドランゴンボールが今の20代のメキシコ人の見てきた番組です。自分はドラゴンボールしか知らなかったので、知っておけばよかったなと思いました。世界の人が知っているように、メキシコ人も、日本といえば、侍、忍者、寿司、着物などの言葉は知っています。日本人というだけで、すごく陽気に話しかけてくれますし、メキシコではいいイメージを持たれているんだなと思いました。食に関しても、日本食レストランがあるので困ることはないと思います。

気候

メキシコのイメージからサボテンをイメージし、常に暑そうと思うかもしれませんが、10月から12月はそこそこ寒いです。ただ、梅雨の6月から8月以外は常に晴れていると言っても過言ではありません。洗濯ものを干すことや傘を持っていくことについて考えなくても、天気が悪くなることはありません。山奥や海辺に行かない限り、1年中厚着をしなくても過ごせると思います。メキシコ人は寒いと言ってコートを着ますが、日本人にとっては長袖一枚くらいで平気だと思います。暑い日は40度を超えることもありますが、不思議とものすごく暑いと思うこともありませんでした。というのも湿気が多くないので、日本の夏のように暑さを感じませんでした。洗濯物などは、日差しが強いので、最初に干したものはすべて干し終わった直後にもう乾いているくらいです。

メキシコの食べ物

メキシコの食べ物といえばタコスですが、ホームステイしている中で気づいたのは、日本の寿司の感覚と似ているなということです。なぜなら、日本人の食べ物は寿司と世界でも認知されていますが、日本の家庭で寿司を作って食べるということは珍しいと思います。基本的に、寿司専門のレストランにいって食べると思います。メキシコのタコスも同じような感覚です。というのも、タコスは家で作って食べるものではなく、外の屋台で食べることが多いからです。少なくとも、自分のホームステイの食事の中にはありませんでした。ですが、少し異なることといえば、タコスは毎日食べることもありますが、日本で寿司を毎日食べることはないと思います。また、メキシコはフルーツの種類がたくさんあり、日本で食べることができないものも多くあります。もちろん、アボカドは安く売っていますし、野菜も豊富です。ただ、ほとんどの食べ物が辛く、辛い食べ物が苦手な人にとっては辛いのではないかと思います。また、韓国料理や中華の辛さとは異なり、水をどんなに飲んでも消えることのない辛さです。

最後に

日本にいると想像しづらい国ではありますが、距離的にはアメリカ合衆国の真下にあり、ものすごく遠いというわけでもありません。上記で紹介してきたように、食べ物や気候、また文化など、知るべきものがたくさんあり、今回の留学でその素晴らしさの一部を経験することができましたが、まだまだほんの一部でしかないと思うので、これからも機会があれば行きたいと思っています。メキシコはラテンの国であるので陽気な人が多く、日本で悩むことも本当にちっぽけなことなのではないかと感じることがありました。メキシコで経験したことをしっかり活かせるように、これからの残りの大学生活も頑張りたいと思いました。


グアダラハラ市内にある大聖堂です。ここから歩いて5分以内のところに住んでいました。

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市内にあるトラケパケという町です。カラフルな傘で装飾されています。

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グアダラハラの中心地から車で4時間くらいのところにあるプエルト・バジャルタと呼ばれるビーチです。

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