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留学体験記:短期研修 Macquarie University College

2024年10月14日NEWS

留学体験記(短期研修)古村修人
留学先:Macquarie University College
留学期間:2024年2月中旬~3月中旬

マッコーリー大学に留学

私は2023年の2月から3月にかけて、世界教養学科の春期オーストラリア海外研修に参加し、マッコーリー大学に留学しました。キャンパス内には図書館、ジム、アートギャラリーなどの施設がありました。大学の隣にはショッピングセンターがあり、日本の商品や食材を購入することもできたため、初めての留学には最適だと感じました。大学があるシドニーは都会でありながら、自然豊かな公園やビーチへのアクセスがよいため、とても過ごしやすい街でした。また、公共交通機関が整っているため、それぞれの学生が電車やバスを利用して通学していました。その経験が海外で一人で行動する自信につながりました。

語学授業での学び

語学授業ではレベル分けされた15人程度のクラスで、教科書を用いて学習しました。それぞれが問題を解くだけではなく、ペアワークやグループワークが多い授業でした。先生方は「間違いも大切にしながら学んでいこう」という考えのもと、授業内での積極的な発表の姿勢を重要視していました。教科書を用いた学習に加えて、オーストラリアの文化についての動画制作にも取り組みました。私たちのグループは「マッコーリー大学のキャンパスで見ることができるアボリジナルの文化」というテーマで制作しました。英語のスキルが向上しただけでなく、人に伝わりやすい発表の構成や、グループ活動におけるコミュニケーション能力を習得できました。

レクチャーオブザベーションでの学び

この研修では、留学生向けの語学授業だけでなく、現地の学部生が受講する授業を見学することができました。世界教養学科の学生のために作られたスケジュールの中から、会計学、文学、ヘルスの授業を選択しました。特に会計学は高校で勉強していたため、その内容を英語で学び直す貴重な経験ができました。現地の先生方が話す英語は専門的な用語が多く、スピードも速いため、聞き取ることが難しい場面もありました。しかし、その悔しい経験が英語を勉強する上でのモチベーションとなっています。

オーストラリアで出会った友人

マッコーリー大学のプログラムの一つであるバディープログラムでは、現地の学生と知り合うことができました。私たちが参加した際には、日本に興味を持っている学生が来ていたため、日本語と英語の両方で会話をしました。このプログラムで知り合った学生と連絡先を交換し、休日にはブルーマウンテンを訪れ、忘れられない思い出を作ることができました。
バディープログラム以外にも、留学生として一緒に語学授業を受けていた学生とも交流をしました。帰国後も連絡を取り続け、日本に訪れた際には、シドニーでの恩返しとして名古屋を案内しました。

ホームステイでの経験

私はイスラエル出身のご家族のもとでホームステイをしました。ホストファザーとホストマザーの二人世帯で、四人のお子さんが家を離れたため、その部屋を留学生に貸しているそうです。ホストマザーはイスラエルでのボランティア活動から帰国したばかりでした。二人はユダヤ教徒であるため、ユダヤ教の文化に触れることができました。特にシャバットという安息日には、食卓にロウソクを立てて、ワインに見立てたぶどうジュースで乾杯をして、ハラーというパンに塩をつけて食べるという体験をしました。また、ホームステイの間に、食文化の違いを知る体験もしました。それは、私がシドニーのフィッシュマーケットで牡蠣を食べたことをホストファミリーに話した際に、「私たちは食べないから、よく食べられるね」と言われたことです。言われた時はなぜそのようなことを言われたのか分かりませんでしたが、帰国後にユダヤ人について調べている中で、その理由を知りました。それは、ユダヤ教徒の食事の制限で、海の生き物でヒレやウロコがついていないタコ、イカ、エビ、貝などはタブーとされていたからです。思い返すと、食卓にもこれらの食材が並んだことはありませんでした。この経験から、宗教によってさまざまなルールがあり、特に食事の際には提供する相手が食べられるものかどうかを考える必要があると学びました。

ホストファミリーとの会話から得たもの

ホストファミリーとの会話で最も印象に残ったのは戦争のトピックでした。ホストファミリーはイスラエルに親戚や友人を残してオーストラリアに引っ越して来ているため、戦争のニュースには敏感でした。戦争について家族同士で意見が対立し、彼らの母語であるヘブライ語で言い合う場面も何度か目にしました。留学以前は戦争が身近な存在ではなかったため、自分から知ろうとすることも少なかったですが、大切な人たちの命を心配するホストファミリーの姿を見て、自分の意識が変わりました。その経験から、自分からニュースを見たり、戦争について調べたりするようになり、それまでの自分が勉強不足であることに気づきました。帰国後には「スラヴ・ユーラシア文化」を受講し、ユダヤ人の歴史について学びました。

オーストラリアでの1ヶ月間は、私の意識を変えた忘れられない時間となりました。これからも積極的に海外研修や留学に参加し、現地でしかできない学びを追求していきます。

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マッコーリー大学のキャンパスの写真です。
約3万人の現地学生と約1万人の留学生が在籍しています。

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キャンパス内に建てられているアボリジナルのための施設です。語学授業の動画制作ではこの施設を紹介しました。

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シドニーの都市部の景色です。手前のフェリーも公共交通機関のひとつで、電車やバスと同じように利用されています。