留学体験記:TESSⅡ University of Utrecht Applied Science
留学体験記(TESSⅡ)林泉歩
留学先:University of Utrecht Applied Science (オランダ / ユトレヒト)
留学期間:1年
1. 導入
私はオランダのユトレヒトという町で1年間過ごしました。みなさんはオランダと聞くと何を思い浮かべますか?チューリップや風車などが頭に思い浮かぶ方が多いと思いますが、私の訪れたユトレヒトはミッフィの町として有名で、街中にミッフィの像や可愛いショップで溢れていました。また、オランダのすべての建物は御伽話のような街並みで歩くだけでもウキウキが止まりませんでした。
2. 暮らし
ユトレヒトの学生寮で生活していた際、各国からの留学生5人と一緒に過ごしました。メキシコ、スペイン、アイルランド、スウェーデンからの留学生たちと共に生活をしていましたが、初めはそれぞれの生活スタイルが異なることから、共同のキッチンが片付けられていなかったり、ゴミが溜まってしまったりといった問題が多く発生していました。しかし、時間が経つにつれて、掃除の役割分担を決めるなどの工夫をし、みんなで生活することの大切さを理解し合うようになりました。
ユトレヒトでの暮らしは、日本と同じくらい平和な街であり、人々が自由に過ごしている印象を受けました。特に印象に残っているのは、オランダ人の多くが自転車を移動手段として利用していることです。小さな子どもからお年寄りまで、皆が自転車で行動しており、道路には歩道よりも幅の広い自転車専用レーンが整備されているなど、オランダが自転車大国であることを強く感じました。
3.授業
オランダでの留学中、1期目はビジネス学科でマーケティングやバイアスに関する授業を履修し、2期目には英語と文化学科でアメリカやイギリスの文化、ビジネス英語を学びました。特に印象深かったのはバイアスの授業で、自ら調査を行い、オランダの街における人間が作り上げた偏見を見つけ、問題点と解決策を探るというものでした。私はオランダの香水売り場に焦点を当て、男女のステレオタイプが反映されている香水の香り、パッケージデザイン、マーケティング手法、陳列状況などを調査しました。インタビューを通じて、視覚的および生物学的な観点からも分析し、最終的に自分なりのレポートを完成させ、良い成績を収めることができました。この経験を通じて、自分の考えに加え、第三者の意見や情報を取り入れることでより良い研究ができると感じました。今後は、この経験を活かして、日本を中心に香水における男女の偏見をテーマに卒業研究を進めていく予定です。
4. オランダの食べ物
食べ物が大好きな私は、その国の新しい食べ物を追求することが日々の楽しみでした。日本のスーパーでは見かけないさまざまな種類のパン、チーズ、チョコレートを味わうことができるうえ、毎週日曜日にはフードマーケットが開催され、多くのオランダの食べ物に出会うことができました。特に印象に残っているのは、「キベリング(kibbeling)」と呼ばれる白身魚のフライや、「ストロープワッフル(stroopwafel)」と呼ばれるシナモン風味の甘いソースが挟まれた薄いクッキーのようなワッフルです。マーケットではどれも作りたてを食べることができるため、街へ遊びに行く際は、つい毎回買ってしまうほどお気に入りの食べ物になりました。
5. イベント
オランダではたくさんのイベントを見る機会がありました。LGBTQをテーマとした運河パレードであるプライドであったり、オランダの国王の誕生日であるキングスデーや、チューリップの日などが行われました。さらに、オランダの街並みや伝統的な風車、チーズ市なども訪れる価値があります。これらのイベントや風景を通じて、オランダの豊かな文化と歴史を肌で感じることができました。正直オランダに訪れるまではオランダについて知らないことだらけでしたが、実際に訪れてみるとその魅力に圧倒されました。地元の人々の温かさや、多様性を受け入れる社会の寛容さにも感銘を受けました。オランダを訪れたことで、単なる観光以上に、文化や歴史、そしてそこに暮らす人々との深いつながりを感じることができたのは、私にとって非常に貴重な体験でした。
6. まとめと感想
オランダでの経験は、私にとって単なる留学や観光以上のものでした。初めは知らないことばかりだったオランダの魅力に触れることで、その国への理解が深まり、特に人々の温かさや多様性を受け入れる社会の寛容さに感銘を受けました。異文化の中で暮らすことで、自分自身の視野が広がり、他者とのつながりの大切さを再確認することができました。この一年間は、私にとって一生忘れられない素晴らしい経験となりました。