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留学記:Georgia Southern University

2018年03月01日NEWS

人と接するなかで得たあたたかい経験の数々は、個々人の記憶にしっかりと残ります。今回お届けするのは、そうした「あたたかい経験」に満ちた留学記です。この留学記は、合衆国南部ジョージア州のジョージアサザン大学(Georgia Southern University)に留学した、世界教養学科一期生の西川夏実さんが届けてくれました。

西川さんの留学記は、努力して勉強を重ねつつ、クラブ活動や留学生向けプログラムに積極的に参加した様子を伝えてくれます。と同時に、そうした勉強や諸活動の個々の場面場面で、周りの人びととあたたかい関係をしっかりと築いていったことを伝えてくれます。自身が経験した「あたたかさ」を伝える言葉の力を、ぜひ感じとってください。


留学記
―Georgia Southern University

Statesboro, Georgia

私が今回留学したのはジョージア州南東部に位置するステーツボロという地域にあるジョージアサザン大学でした。アメリカの中でもかなり南に位置するステーツボロはとても温暖で、冬になっても過ごしやすい気候でした。また、気候と同様に南部の人々もとても温かく、後ろの人のためにドアを開けて待っていてくれたり(これは南部の人々に根付いた習慣らしく、本人たちはまったく意識していないそうです)、困ったことがあるとすぐに手を差し伸べてくれたり、事あるごとに親切に接してくれました。

ESLと学部授業

オリエンテーションで行われたテストの成績を元に、現地ではESLと学部の授業を二つずつ履修していました。ESLは留学生が十人前後で、国籍は中国・韓国・エジプト・コロンビア等様々でした。基本的なリスニング、リーディング、ライティング、スピーキング能力の強化に焦点を当てて授業は進み、クラス全員でディスカッションなどかなり難しい場面もありました。ディスカッションでは「将来成功するために、学生は何をするべきか」といった大学生ならではのトピックで意見を出し合いましたが、意見を思いついてもそれを英語を用いて表現することが難しく、自らの力不足を痛感しました。

また、学部授業は「国際研究入門」と「アメリカ政府」という講義形式の二科目を受講しました。周りはほとんど現地の学生でしたが、そのような環境がより学ぼうと言う意欲を高めました。毎週のようにあったクイズや、より詳しい理解と英語力が求められるグループプレゼンなど、大変なことばかりでしたが、その分力になったと信じています。どちらも政治と関連した科目だったので、アメリカ政府の基本的な仕組みや、その動きが国際社会にどのような影響をもたらしているのかを、考察・理解することができました。教授たちも非常に優しく、授業後に教室に残って質問した際にも快く応じてくれたり、他の生徒がテストを終えて早々に帰っていく中、最後の最後まで問題に苦戦する私をそっと見守り、ねぎらいの言葉をかけてくれた姿が印象的でした。

Japanese Club

大学内には様々なクラブがあり、留学生も参加可能でした。私はJapanese Clubのお手伝いを依頼されたため、そちらに入部し、週に1~2回活動に参加しました。メンバーの中には、以前NUFSに留学していた学生や、日本の漫画やアニメが大好きな学生、日本語の授業を履修している学生などがいて、どの学生も私たちのような日本からの留学生に対して興味津々で接してくれました。クラブの時間以外にも、キャンパス内で見かけると声をかけてくれたり、一緒にご飯を食べに行ったり、どの学生もとてもフレンドリーで、人見知りの私にとって、友達を作れる貴重な機会でした。

通常のクラブ活動では、おにぎりとカレーを作ったり、習字に挑戦したり......「ザ・日本」って感じのことだけではなく、日本のホラー映画を見たり、KARAOKE NIGHTと称して部室にマイクを持ち込んで歌ってみたり、はたまた海やお祭へ出かけてみたり......とイベントも盛りだくさんでした。

さらに、詳しく日本語を学習している学生に向けたTea Hourという時間には、簡単な日本語を用いたゲームを行いました。日本人学生が何度かこのゲームの企画を任されたのですが、学生の日本語のレベルも大きく異なる状況下で、全員に楽しんでもらうためにどのようなゲームにするべきか、とても迷い、前日の夜遅くまで必死に考えました。日本語教育って難しいんだなぁと痛感するとともに、英語や他の言語を根気強く私に教えてくれた今までの先生方へ感謝の気持ちが生まれました。

International Extended Family

普段は寮に住む留学生が、休日や時間がある際に、ホームステイ先の家族のような存在として交流を図ることが出来る、留学生向けに提供されている交流プログラムの一つです。私はそのプログラムに参加して、ある夫婦に受け入れられることになりました。毎週日曜日の朝、教会へ礼拝に行き、そのあとはランチを一緒に食べました。そこで出会った人々ともはじめは挨拶程度でしたが、回を重ねるごとに交流も深まり、別れるのがとても名残惜しかったです。

最後に

ここまで自分で書いた内容を読み返してみると、「あたたかい」という言葉を何度も用いていることがうかがえますが、それくらい全てがあたたかく、心の底から留学してよかったなぁと思える場所でした。また、同じNUFSから来た同学年の友人や、年下ながら精一杯勉強を頑張る二年生の後輩たちの存在も大きな刺激となり、このメンバーだったからこそ救われた場面も多々ありました。

約四ヶ月という短い期間でしたが、後悔が残らないように自分としては精一杯取り組んだつもりです(もちろんまったく残っていないと言えば嘘になりますが......)。限られた時間の中で、何が出来て何が出来ないのか、また何を目標として日々取り組むかによって、その生活は大きく変わってくるかと思います。周りの人との出会いを大切にし、そのとき限りで関係を終わりにするのではなく、いつまでも続けていくことが、留学を終えた今の私の目標です。


留学中住んでいた学生寮 University Villas。四人または二人で一部屋。ハリケーンやサンクスギビングの時は、駐車場から車がほとんどなくなります。

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アメリカンフットボールのホームゲームの時の写真。日本の大学の部活動とは迫力が桁違いでびっくり。普段はTシャツ短パン姿のジョージアサザンの女の子たちも、この日はおしゃれしてスタジアムに行くそうです。

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毎週末Extended Family と一緒に行っていた教会。静かに祈りをささげるのかと思っていたら、コンサート並に歌・歌・歌な礼拝でした。聖歌よりもポップスに近かったので、小さい子からおじいちゃんおばあちゃんまで楽しそうでした。

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