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留学記:New Mexico State University

2018年07月23日NEWS

夏本番の暑さがつづきます。数カ月ぶりに、世界教養学科生の留学記をお届けします。学科一期生の紅林拓実くんの留学記です。紅林君は、名古屋とはちがって湿気がなく、乾燥した土地の合衆国ニューメキシコ州にあるニューメキシコ州立大学 (New Mixico State University) に、昨年 2017 年に留学しました。

一口に「留学」とはいっても、積むことのできる学習経験は多様です。紅林君は、ESL (English as a Second Language) プログラムでの学習、学部授業での学習、人と人とのつながりのなかでの社会学習を通して、とてもたくさんのことを考え、学んできてくれました。留学記では、それら多様な経験を、とてもわかりやすくまとめてくれています。目を通して「留学」でできることを考えるきっかけにしてもらえたら、と思います。


留学記
―New Mexico State University

留学前

留学先であるニューメキシコ州立大学に行く前の1カ月間は、サークルの先輩で留学先が同じであった人に話を聞いたり、留学先大学のウェブページなどから情報収集をしていました。実際に行く前は不安で、また、語学コースであるESLのみの留学と聞いていたので、できれば学部の授業を受けたかったという思いを感じていました。

春期

留学先に到着して最初の学期は、上に書いたように、ESLの語学コースを受講していました。実際は1月からコース自体は始まっていたようでしたが、到着した時期が3月だったので、クラスの学生同士がある程度仲の良いクラスに途中から参加する形となりました。ただ、不安といったようなものはなく、日々楽しむという気持ちで授業に参加しました。クラス自体は9カ国の国々から来た学生で構成されており、アジア圏やヨーロッパ圏、南米からの学生がいました。

ESLのコース自体はスプリングセッションとサマーセッションの2部構成になっていました。Reading、Grammar、Speaking、Writingを学びましたが、実際に英語で学ぶことによって日本語で学んだ際にはあまり考えず覚えてしまっていた文法も「こういう理由があるから成り立つのか」など新たな発見があり、充実していました。各セッションの終盤に実施されたテストは特に難しくはなく、授業の内容を理解できていれば解ける問題ばかりでした。ただ、この学期は自由な時間が多く、その時間は、私が元々興味があり、学部授業で受講したいと考えていたミクロ・マクロ経済学の勉強に充てていました。

秋期

最初に書いた通り、留学先に行く前は、ESLのプログラムしか受けられないと伝えられていましたが、ESLのサマーセッションが始まる前ぐらいに国際交流部の担当の方からお話しがあり、留学先大学の学部授業を受けられることが決まり、この秋期の学期はニューメキシコ州立大学の学部授業を受けました。やはり、ESLの英語だけのコースとは違い、様々な科目を英語で学ばなければいけなかったので、初めは授業の内容を理解することがかなり大変でした。しかし、自主的学習や日々の授業を通して授業内容をある程度正確に理解できるようになり、学習の効率も上がっていくのを実感しました。ただ、週によって課題の量や授業の難易度に差があり、授業以外の時間の大半を、課題の作成や復習に割かれる日もありました。

中でも特に私自身が大変に感じ、また充実していたなと思った授業は歴史の授業でした。内容はキリスト教の起源からルネサンス以後までのヨーロッパの歴史についてでしたが、キリスト教について触れられることが多く、宗教用語や古英語なども出てきて理解することに苦労しました。また、授業内で時間を設けてグループディスカッションをする時もあり、なかなか現地学生のように思考を凝らした意見などを発言することができず、悔しい思いもしました。さらに、課題の量も多く、1週間に読む文章の量はかなりのものでした。加えて、毎週ある決められたテーマについてライティングの提出物を作成するという、負担の大きな課題もありました。しかし、この授業のおかげで今まで知り得なかったキリスト教の歴史・文化を知ることができ、留学先の現地の人たちの宗教的な考え方をより理解することに繋がりました。また、他の授業の長い英文なども、早く、効率的に理解できるようになりました。

大学生活

勉強する時間は確かに多かったとは思いますが、勉学から離れて過ごす時間ももちろんありました。授業外の時間は、同じ寮の敷地内に住む学生や授業で友達になった学生たちと話したり、どこかに出かけたりしました。また、日本から持ってきたテニスラケットがあったので、現地のテニス部に入部して活動に参加しました。教育的、文化的、社会的かつ伝統的な様々なイベントを通して黒人の歴史に対する理解を深めることを目的としたBlack Programという学生団体にも所属し、学生たちとたわいもない話をしたり、そのイベントに参加したりしました。さらに、毎回ある1つの国についてその国の出身者がプレゼンし、国際的教養を深めていくことを目的としたインターナショナルパーティというイベントにも参加しました。そのパーティーで知り合った家族の方に、2週間に1回、ホームパーティーに招待してもらったり、周辺地域の名所に連れていってもらったりもしました。勉強から離れて自由な時間を作ることは大切にしていてよかったなと今でも思います。

最後に

9カ月間の留学生活でしたが、かなり充実した大学生活を過ごすことができたと思います。初めは英語が通じなかったり、価値観の違いから気まずい空気になったり、うまくいかないことも多かったですが、そういった経験が留学生活をより実りあるものにしてくれたと思い、また、そのことが自身を成長させてくれたと思います。

自分から何も行動を起こさないことは非常にもったいなく、ましてや学生として行ける留学というものが人生に用意される機会はほとんどないと思うので、日々自身で考え、自分から行動する癖をつけておくことが留学では大事だと思います。また、外大生だから英語さえできればいいという考え方ではなく、これは留学先の大学で勉強したいなというものを何か自分で持っておくと、自身のモチベーションを保つことにもつながると思います。ですが、何よりも大事なことは留学生活を楽しむことだと思います。単純なことですが、興味を持ったり、面白そうだなと思ったことはとにかくまずやってみることが、留学を楽しむ秘訣だと思います。


10月頃に行った、ニューメキシコ州最大の都市であるアルバカーキのバルーンフィエスタ

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留学期間住んでいた Vista Del Monte という学生寮のエリア

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ニューメキシコ州ではかなり有名なホワイトサンズという自然の白い砂漠

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